私の考えですが、人間、その日に合った事を、
一日に何度も何度も思い出すと、
一生覚えているもんだと。
その後も、ふとした時に、何度も何度も思い出す事って、
一生覚えてるもんだと。
あれは、私が小1の時だった。
クラスに女の子が転校してきた。
すぐ仲良くなり、彼女の家に遊びに行く事になった。
小学校からその子の家へ行く途中に私の家があったので、
ランドセルを置いてから、遊んだ。
私の家から歩いて30分ぐらいかなあ。
そこは、小児科へ行く時に通る道だったのは覚えているけど、
最後は、どこへ通じる道だったのか、まったく記憶にない。
そんだけ小さい頃の昔の話。
関係ないけど、私の母親は、熱が出ると、すぐお尻に注射してくださいと先生に言った。
絶対に注射されたので、いまだに病院は大嫌いだ。昭和の話よのぉ~。
友達が、ここって言ったおうちは、何かの工場の跡地で、
窓ガラスも破片が引っ付いてるだけの、割れた窓。
「え!ここ?」住めるん、ここ。。。( ゚Д゚)びっくりもびっくり!
彼女は(⌒∇⌒)ニコっと。それが返事だった。
長い塀に囲まれた敷地。
門から入って、彼女は慣れたように、左の建物の外にある
らせん階段を上り二階へ。
二階に上がると廊下で、教室のように各部屋へ行けるようになっていた。
いくつか部屋があり、ベッドの上部分だけがある部屋へ。
漫画が大量にばらまかされた部屋。
「ここで寝てるん?」
「うん♪」
ひろーーーい部屋の真ん中に、ベッドのマットがポツン。
「お母さんは?」
「お母さんはあっちにいるよ。」
隣の部屋も広い。
隣の隣の部屋に、お母さんがしゃがんで、なにかしていた。
昼間でも室内は暗く、ガラスの割れた窓からの光のみ。
「こんにちは!」っと私。
お母さんは、私を見て、うなずく。
怖い顔でもないけど、笑ってもなくて、びっくりもしてなくて、ただただ見上げていた。
お母さんと会ってから、なんか、来ちゃいけないとこに来たような、
見ちゃいけないもんを見たような気がした。
特に、遊ぶとかもなく、じゃあそろそろ帰るねっと、いっしょに一階へ。
歩いて家まで30分って、今思うと、結構な距離だったな。w
大人になってから、一度だけ、むかし住んでた町へ行った事がある。
もっと広いと思ってた道も、とても狭くて、子供の時の感覚とは全然違った。
その子は、二週間もせずに、いなくなった。
その時は大人の事情とか考えれるはずもなく、
もう転校したん!っと、ただただ、急にいなくなったことに驚いた。
なにか訳ありだったんだろうけど、母親は、そんな生活の中でも、
子供を学校へ行かせてあげたかったんだと思う。
まだまだ幼い我が子が、友達連れて来たんだもの、びっくりもしてなかった。
堂々としていた。
完全な廃墟よね。
夜は真っ暗だったでしょう。月あかりと懐中電灯。
懐中電灯すらあったのかどうか。
ひっこしのトラックも無かったと思う。
手荷物だけ、最小限の荷だけだっただろう。
私自身も、幼かったな。
あの子と、ずっと一緒に遊べると、思ってたもん。
二人とも無邪気にもほどがある6歳児。
すぐ いなくなるなんて!
母親だけは、この土地は、通りすがり程度とわかっていただろうね。
あのあと、あの子は、何回転校しただろうか。
とても不思議だったので、今でも たまに思い出す。
夢のようなほんとの話。
そして、あの子は、家で遊ぼうって言う約束が、すっごく嬉しかったんだと思う。
(⌒∇⌒)
いっしょにその子の家まで行く途中も、
なにをしゃべったのか、ぜーーんぜん覚えてないし、
名前すら覚えてない。
でも、
粗大ごみから拾ってきたようなマットがポツンとあった部屋。
らせん階段。
高い塀。
割れた窓からの光を背にした母親の姿。
散乱した漫画の本。
あの子の笑顔。(⌒∇⌒)
忘れられない。